美由紀さんが貸してくれた ドリップコーヒーのスイッチを 入れ、カップを出す。 「じ、実は」 美由紀さんブレンドの豆で コーヒーを用意しながら 俺は男の話に耳を傾けた。 「幻のスパイスを 手にいれて欲しいんです!」 『幻のスパイスぅ?』 同時だった。 キトと俺は同時に口を開いた。 なにそれ! キトが声をあげた。 幻の、なんてキトが1番 好きな奴じゃんか。 倉ヶ市さんはポツポツと 話しはじめた。