入ってきたのはとても
貧相な男だった。
スーツを着ているが、ひどく
くたびれている。
「は、はじめまして」
男は自信なさげに頭を下げた。
俺とキトは顔を見合わせた。
この人、どうやら
訳がありそうだ。
「まあ、そんなところでも
アレですんで、こちらへ
おすわり下さい」
俺がそう案内すると、
男は、じゃなくて、
倉ヶ市さんは
ソファーに座った。
「で、今日はどんなご依頼で
こられました?」
キトがそういったのを聞いて
俺は立ち上がった。
このお客さんのコーヒーを
入れにいくためだ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…