もともとキトと俺は仲が良かった
子どもの頃からずっと一緒に居た

キトはいつも、なにか
おもしろいものを持ってきて
俺に見せてくれた。


変な色のカエル、
隕石のカケラ、
脱皮したヘビの皮…


片手に図鑑を持って
いつも俺に説明してくれた。
キラキラした目で俺を見て
いつだって純粋に。
その度に俺も心動いた。
もっとたくさん知りたい、
いろんなことを。

俺にとってキトは
自慢の存在だったのだ。








ああ、遅刻だ。
今日はお客さんがくる日だ。


そう気づいて俺はまた足を早める


早く行こう、

"俺たちの探偵事務所"に。