「まぁまぁ座りなよ?」

立ち上がってマリアに近づくのは疾風さん。

"触るなっ…!"

というマリアの言葉は完全に無視して、半ば強引に座らせた。

酷く不快そうな顔をし、腕を組んで座っている。


「改めて礼を言う。奈々を助けてくれてありがとう」


大和さんは立ち上がり、頭を下げた。

それに続いて疾風さん、雷弥さん、そして最後はチームの奴らが「ありがとうございます!!!!」と何十人もの男達の声が鳴り響いた。

さずかに煩かったのだろう…マリアはビクッとしていた。


「だから…っ、何もしてない」

「そう言うな。人が礼を言う時は素直に受け止めりゃいい」

"はぁ"と小さなため息が聞こえた。


「大和さんっ!!持ってきました!」

さっき、チームのやつが大和さんに頼まれて持ってきたのは紙袋。