男はそわそわと回りを見渡すと、電話をかけはじめた。

ニヤリと笑うその顔は、どことなく嫌悪感。
思わず顔が引き攣った。

男が喋ってるのを見てると、なんとなく顔の方向が公園に向かっていた。


まるで電話相手が公園内にいるかのような――‥


(‥っ、くそ野郎が)


吸っていたタバコを地面で揉み消す。


すぐに公園の入り口へと向かう。


「あっお姉さん、ごめんね〜今お楽しみ中なんだ〜だから中には入っちゃダメだよー」


想像どうり、男は公園に入らせまいと立ち塞がる、が―


「うっ‥!?」


男の腹に一発、決めてやった。
腹立つからもう一発、男の頭を地面に叩き衝けるように蹴りをくれてやる。

「お、ま‥え‥」

だいぶ効いたのだろう。
地面に這いながら悔しそうに睨んできた。
あろうことか、涎まで垂らしていた。

「汚い‥地面が汚れるだろうが、お前のせいで」

「く、そっ‥」

音をたてるように一気に心が冷えるのを感じる。

「"くそ"はどっちだ‥くそ野郎が――」

もう一発腹に蹴りを入れると、男は朦朧としていた。