その声の元に行くと―‥



‥何だ?
どういう状況だ?

奈々は確かに居た。
傍らには‥女が一人。
男達は完全に伸びて気を失っていた。
この女がやったのか‥?

いや、今はいい。
とにかく奈々は‥


「お兄ちゃんっ!!」


奈々が自分の元へと走り寄ると俺も駆け寄り、抱きしめた。


「お兄ちゃんっ!!怖かったよ‥!!」

「無事なのか!?」

いや、無事なもんか。
妹の衣服はかけられたジャケットの上からでも見て分かった。
‥ボロボロだ―‥!!


「この女の人が‥助けてくれたの‥」


"だから未遂で助かったの"

そういう妹の声で、抱きしめる腕に力が入る。


「そうか‥そうだったのか‥無事で良かった‥」