――――‥―――‥

私が落ち着くまで、女の人は傍に居てくれた。
私をそっと抱きしめ、背中を摩りながら―。

後から思えば、何故彼女が男達数人相手に‥?
とか、考えたけど今はそんな余裕は無かった。


「すみません‥私‥」


そう女の人に謝ると、無表情ながらも目つきだけは優しさを帯びていた。


「大丈夫」


何度も聞いた、この人からの"大丈夫"――‥

その度に私は安心感を感じた。



「奈々ーっ!?」

「奈々ちゃーーん!!」



「あっ‥」

知ってる声。
だってこの声は――‥


「お兄ちゃんっ!!」


大好きなお兄ちゃんの声だから。