「ねぇ」


おっ、意外と早く答えが
返ってきたと思った。



「先生好き?」


え…先生?


「なっ、せ…先生?嫌い…だよ」



俺らA組の先生は本当に
最低最悪な教師だった。

贔屓が激しい。
下手すればセクハラに
されるような言動。


皆嫌ってた。


「だよね」

「う…うん。」

相手は暗い様子で受け答えする。




先生?先生がどうしたんだろう。





俺と隣の女子が話していても
冷たい空気はそのままだった。



教室を見回すと
まだ皆は教壇を見つめている。


悠也はすごく怯えている
様子だった。

居づらそうな、
はやくこの場から
去りたそうな、そんな表情だった。


俺もそんな感じに
見えてるのかな。



怖い。









「あのね、壮太君、悠也君。」

悠也と俺はビクッと
体が動いた。




「壮太君達はいなかったから
分かんないだろうから、言うね」




















「先生、皆で殺しちゃったよ」





彼女は笑顔でそう言ってきた。