「何があったんだよ。」


「・・・。」


「言えよ。


 聞いてやるから。」


「・・・。」


「なぁ。」


「分かった。


 笑ったりしないでよ?」


「うん。」


「あのね・・・。」


なんでか分かんないけど


三戸に全部喋り出してしまった。


「私の親7年前に離婚したの。


 私はお父さんに引き取られたの。


 いつも家では1人だった。


 お母さんに会いたくて


 毎日、電話のベルが鳴るのを待ってた。


 でも1回も来なかった。


 だから1回だけ自分から電話したの。


 そしたら・・・。


 ”あんたはもう私の子供じゃない”


 って言って電話切ったの。


 それからずっと怖いの。


 誰にも嫌われたくないの。


 だから何言われても我慢してるの。」


「うん。」