「いやぁ、それにしても魅惑的な格好だなぁ?」
「十夢、顔がエロ親父」
「おい」
「那月に殺されるよ?」
桜ちゃんと知花さまは、美味しそうな湯気を上げるオムライス乗せた、ちゃぶ台の前に座っている。
那月さんにしても、知花さまにしても、この鉄鍋でオムライスを作る事は普通なのかな?
飲食店をしているだけあって、知花さまが作るオムライスも美味しそうだ。
……桜ちゃんに一口貰おっかなぁ。
あたしは、その二人の側で温かい生姜湯を飲んでいた。
風邪を引いたらいけないからって、ほとんど強制的に。
「十夢のセクハラは聞こえましたよ」
「……なっちゃんの地獄耳は、もう盗聴のレベルだよなぁ」
「こんなお風呂上がりの花乃なんて、他の人に見せたくないんですけどね」
「色っぽいよなぁ?これでもう少し……」
知花さまの視線が、あたしの胸元に移動した途端、どこから現れたのか木のしゃもじが知花さまの頭を直撃した。
……痛そう。
でも、あたしも傷付いたんだから、慰めてなんてあげないんだから!
ちょっと悲しくなりながら、自分の胸元に視線を落とした。
「花乃、気にしなくて良いですよ。これからゆっくり育てましょう」
那月さん、真顔で言ってますけど本気ですか?
今さら育たないと思うんだけど……