「これがね…入ってたの」


おばあ様の前に、幸せそうに笑うお母さんの写真を置いた。

それを見て、少し見開いた目を静かに閉じると、小さな声がこぼれ落ちた。



「今の…花乃は、雪乃を見てるようです…」


そんなに似てるのかな?

お母さんのが美人だと思うんだけど…



「生き写しですよ」


まるで、あたしの心の中を覗いたように、那月さんが言ってくれた。

嬉しいけど、桜ちゃんのが似てるような……



「花乃、自分を卑下するのは止めるって約束したでしょう?」


「はぁい」


那月さん、那月さんと一緒なら会いに行ける気がするよ。


目を閉じたまま、ごめんなさいねと謝るおばあ様に、慌てて謝らないで言っていると、追加のお茶と大福を持った明美ちゃんが乱入した。



「早く食べへんと、女将の大福うちが貰うで?」


「フフフッ、それは困るわ」


たぶん、明美ちゃんは入るタイミングを待ってたんだと思う。

少し温くなったお茶を飲みながら、四人でまったりと大福を堪能した。