「花乃も、だいぶ大胆になりましたね?」
光さんが運転する送迎の車を見送りながら、なんだかとっても嬉しそうな那月さん。
うん、今更だけど恥ずかしくなってきた…
「花乃、愛してますよ」
「まだ勤務中やで?イチャイチャするんは後にしてくれへん?」
「あ、明美ちゃん!?」
ギュッてあたしを抱き締めたまま、那月さんは分かっていたかのように肩を震わせている。
そっとあたしの頬にキスを落とすと、残りは後で頂きますなんて言って帰っていった。
…と言う事は、あたしが行ったら少しは構ってくれるのかな?
「まぁったく!ほんまにラブラブやなぁ」
「…そ、かな?」
「まぁ、色ぼけは仕事終わってからにしてや?ちゃっちゃと終らせるでー!」
にやにやしながら伸びをした明美ちゃんは、本当に楽しそうに笑ってくれるから恥ずかしいけど嬉しくなっちゃうね。
「これ!いつまでも油売ってないの!」
「「はーい!」」
おばあ様に見つかっちゃった。
慌てて各自の仕事に向かうあたし達の後ろで、ため息をつくおばあ様に武さんが何やら話し掛けている。
もちろんモタモタして余計に怒られたら困るから、内容は聞こえなかったけどね。
「ふぅ……困ったものねぇ」
「いいじゃあないですか。あれ位のが可愛いと思いやすけどねぇ」
「そうねぇ、明美と居ると花乃が年相応に笑ってるわね」
「えぇ、二人とも本当にいい子です」