「本当に桜介さんそっくりですねぇ。
一瞬、桜介さんが女装してるのかと思っちゃったぁ、とっても美人さん」


「とんでもない!
瑠璃さんのがよっぽどお可愛らしいですよ」


流石に女装は無いでしょう…
たぶん、とっても似合うと思うけど。


「あっ!さんいらないですよぉ」


…流石にお客さまを呼び捨ては難しいんだけど……

でも、クリクリした瞳でキラキラと期待されると断りづらい…


「えっと……瑠璃ちゃん?」


「はい!」


うん、なんか手懐けてる気分かも…

そんな話をしながらも、しっかりと知花さまのシャツの裾を掴んでいる。


「るぅちゃん、おいで~?」

「やっ!」


大澤さ…んが両手を広げて呼んでも、離れる気配なし。


「…お気の毒です」


「…分かってくれる~?
これじゃあ十夢のペットだよね…」


流石にハイとは言えないけどね。
でも思わず頷きそうになったのも事実だ。


「親子にも見えますけどね」


「親父だと思えば………いや、許せない!」



お父さんでも許せないんですね。
まぁ、この年でお父さんにあんなに甘える女の子も居ないと思うけど。


…この年でって……そう言えば、いくつなの?