車の中でも無言が続く…。
今日は何も話さずこのまま帰るのかな……。

そう思ったその時。


「8時半か…。まだ、時間平気?」


「え!?あ、ハイ!大丈夫です……。」


びっくりした〜。

突然言うんだもん。






って!
どこ行くとかは何も言ってくれないのか!!


あたしが不思議に思っていると、車が停まった。


ここは……、大きな運動公園の駐車場だ。


エンジンが止まると、すごく静かで、自動販売機の機械音がするだけだった。



「ちょっとだけ…話し、いい?」

木下サンは真剣な目であたしを見てそう言った。


「ハイ。」

恥ずかしくなってあたしは下を向いて返事をした。



「あのさ、突然こんな話しして、悪いと思うんだけど、聞いて欲しい。」




そう前置きをして、木下サンはゆっくりと話し始めた。