「あの時、奴からは原田の言う通りほんの一瞬ですが、凄まじい殺気を感じました。」


全「‼」


「一君がそんな事を言うなんて。俺には何も感じなかったのに。」



「悔しいけど、僕もだよ。何も感じなかった。」



この場に居る全員が鬼龍院の一瞬の変化に気付かなかった。



「斎藤、まだ続きがあるのか?」


「はい。殺気を感じたと同時に、被り物の中から奴の真っ赤な目が見えたんです。まるで獲物を狩る獣のようにこちらを見ていました。恥ずかしながら、震えるほどで気付いたら試合は終わっていたと言う事です。」