がららららっ


大きな音を立ててドアが空いた。


「今日からこのクラスの担任になった池田真治だよろしく」


少し小太りのその男は、ド太い声でそう言い放った。


「うわっ!熱血じゃね?」

となりの席からそんな声がボソッと聞こえてきた。

うん間違いなく熱血だろう。
熱血でなかったらなんだというんだろう。


小太りの男は前髪をかきあげてさらに続けた。



「これから入学式がある。名前を呼ばれたら大きな声で返事してくれたのんだぞ」



先生はそう言い放って、教室を出ていってしまった。


私はまた窓の外に顔を向けた。


外にはもう桜の花が咲いていなかった。葉桜だ。


あまり綺麗とは言えないそのグラウンド。

しかし、教室をみるよりは、グラウンドの方が面白い。


「では、一年六組さん廊下に並んで下さい。」



見知らぬ厚化粧のおばさんが小さな音でドアを開けて入ってきた。


どの位小さいかというと、私は実際風の音でなにも聞こえなかった。
まぁそれはどうでもいいだろう。