「おい、未亜」



「なに?」



「最近の俺のタイムはどう?」



爽は大会が近づくと決まって
毎回聞いてくるんだ



「うん。いい感じだよー!
 ちょっとずつだけどタイム
 上がってきてるし!」



「おしっ」



爽はそう言うと嬉しそうに笑うんだ
爽はとても足が速い
今回の大会では優勝候補になってるんだ
まだ一年生だけども、我が校のエース



「あ、そうだ!ねぇ、爽!」



「なに?」



う......
いつものポーカーフェイスに戻ってるし......
まあ、慣れたけどね



「お母さんがさ、
 今日は家でご飯食べましょ!
 だってさ!」



「おー、ならお邪魔するわ」



「うん!」



私達がそんな話をしていると
ある人が入ってきた



「なになに?!
 お前ら今日も飯一緒なの?
 一昨日もじゃなかったっけ?」



この人は、吉岡輝生(よしおかこうき)
先輩
一応、11人いる陸上部の主将!
あ、一応って失礼だった!
輝生先輩も爽に続き足が速い
爽のよきライバルという感じかな



「いや、しかしなぁ......
 おばさんの料理旨いんだけど
 その娘がなぁ......」



「は?なによ」



「いや、そのおばさんの娘は
 おばさんに似ないで
 料理も出来なけれ整理整頓も
 出来ないんだよなぁ......」