何故なのか、何の危険信号なのか、しきりに頭を回しているうちに腕を捕られた。


ハッとして顔を上げると、そこには“無表情”に戻った、冷たく鋭い綺麗で端麗な彼。

魅入られてしまいそうで、掴まれた腕に目をやった。


何……?何が起きるの…?


「てめぇで良い。」

「は―――、っ!」


そして、背中に強い衝撃を感じた。固い床の感触が、じわりじわりとあたしの脳へと警告レベルを上げていく。