日向君はしばらく停止していたけれど、あたしが静かにまた目を合わせると去って行った。


日向君も、鶴来さんや輔さんのような冷たさを纏うようになるのだろうか。

箸を持ってから、あたしはそんな事を考えた。


窓の外の天気は曇り。もしかしたらあの時、逃げ出したのが晴天の日だったなら、と思う。


そうだったならば、どんな土地か嫌でも分かっていたはずのに。雨は視界が悪すぎた。

今度はきちんと計画しよう、と思うのであった。