お互い、無表情。冷たい空気と、あたしの生へ執着する空気が混ざり合う。

所謂、意地の張り合いだ。


でも結局は手を出した貴方が負けだけど。震える拳からして、衝動的だったんだろう。


「…絶対ぇ、帰さねえ。精々泣いて乞え。」

「自分で帰りますのでお構いなく。絶対、こんな所出て行きますから。」


お互いに―――天敵、だ。

睨み見下ろしてくる彼から、殺意がにじみ出てる。さすがに殺人まではしないようだけど。