奈々美の濡れた頬を撫でる。 「でもね……」 一度言葉を切って、頬を撫でていた手で頭を撫でた。 「今回は捜査の協力だけでいいよ」 安心してもらえる様に優しく微笑んだ。 「本物の執行人が動く条件を君は満たしているんだ」 『本物の執行人の事も知ってるのね』 「まぁね。君もそのうち会うよ」 『……そう』 小さく呟き、俺から目を逸らすと、不安気な顔をした。