「で どうしてわたしを探してたの?」

「なぜかお前の親から俺に メールの返事ぐらいよこしなさいって言ってってメールが来て……」

とケータイの画面を見せつけた。そこで千由はいそいそとケータイを取り出した。どうやら電源は入ってない。ケータイの意味を成していない。

「あ 本当だ……わーいっぱいメール来てる!」

着信履歴もかなりたくさん入っていた。

「……と。これでいいかな」

親にメールを送ってハタッと気づく千由。

「鞠香ちゃんケータイは?」

「あ あるよ……」

「じゃあメルアド教えて!」

「うん」

教えて 千由のも登録すると 輝は隣の席に座って呟いた。

「あいつにメールしても98パーセントは返ってこないからな」

「……あはは」

それは何となくわかっていた。もうすでに電源を切ろうとしてるし……。マナーモードにすればいいのに……。

「あの……」

「え?」

「ここ 私の席です」

と 千由の隣に座るのは 物凄く綺麗な子だった。なんだか制服も少し違うような……。スカートやブラウスにレースがついている。
入学初日から制服がもう変形されている……。

「あ はい……」

千由はどうぞと促した。

「あの 初めまして。わたしは山吹千由です」

「初めまして。保科美也です」

年は同じ年だろうから12歳のはずだけど……ずいぶん大人びた印象を受ける美少女だった。

「あ 千由って呼んでね」

「千由さん……でかまいませんか?」

「う うん……」

千由が少し戸惑っている。
それをあーあ……と少しため息混じりにみてる輝。

「わたしのことは……そうですね。美也様って呼んでください。もしくはプリンセス美也……いえむしろ ダークプリンセスでも」

この人何言ってんの……!?
どう返していいのか……冗談……!?本気!??
聞いてる鞠香がそうつっこみそうになる。

「……じ じゃあ美也様……で?」

「はい。千由さん」

「……」

結局どこまでが本気だったの……。