舞夢に連れられては 学園に通う全女子生徒が住む寮まで案内された。
ずいぶんと大きな寮である。

「鞠香の部屋は3階ね」

と言って鍵を渡された。

「部屋は姉さんと同じ部屋ですか?」

「ううん。あなたと同じ新入生だと思うわ」

そう言われ部屋に案内された。そして部屋の鍵を開けようとしたが 中にはもう人がいて鍵は開いてるようだった。
鞠香は恐る恐る中を覗く。

「あの……」

「あ!初めまして……鞠香さんですよね!」

「あ はい」

鞠香が声をかけるとすぐに立ち上がり 寄ってきたかと思ったら手を握ってきた。ずいぶん可愛らしい女の子だ。

「わたし 山吹千由です。千由って呼んでね」

「は 初めまして 栗鈴鞠香です……」

握った手をブンブンとふる。めちゃくちゃフレンドリーな子である。

「これなら安心ね。あたしはもう行くわね鞠香」

「え 姉さん……!?」

舞夢は行ってしまった。どこに行ったかは謎だけど……。

「今のってお姉さん?」

「あ うん。そうです。あと兄もいて……」

「いいなあ。わたし 妹しかいないから身内誰もいなくて不安で……」

の割にはすぐにたくさん友達は作れそうだから そんな心配は皆無そうだけど……。

「でも 一応幼なじみは一緒に来てるんだけどね」

「幼なじみ……?」

「うん。今度紹介するね」

今度……と言うことは今逢えないってことか。男子かな。