と 頭の中で思い返してる時だった。

「よう 鞠香さん」

「!?」

鞠香はビクッとした。そして顔を上げた。

「なにしてんだ こんなところで一人で」

輝が鞠香をみていた。

「な なな……なにって本読んでるに決まって……」

そこまで素の少しキツい声で言った後
ハッとして本を閉じ 立ち上がった。

「ほ 本を読んでたんです」

本を閉じて元の場所に戻し 鞠香はスカートをはたいた。

「……お前 なんで自分作ってるんだ?」

「べ べつに作ってないよ」

鞠香は目を合わせようとしない。

「嘘だな。そんなんだと お前いつか壊れるぞ」

「……」

壊れる?鞠香が……?
違うわよ。

「言いたいことがあるならちゃんと言え。一応5年も一緒に居なきゃいけないんだし」

もう 壊れてるのよ……。
逢ってまだ一週間もたってないあんたに何がわかるって言うの……。

「鞠香が それで本当に良いなら もう何も言わないけど」

鞠香は振り返った。そして 言いたかったことをぶつけた。

「……あーそうですか。なら言ってあげるわよ。そのかわり他の誰かに言ったら殺すわよ」

「……殺す……って」

鞠香は壁を殴った。小さな地なりがなった気がした。
しまった……これは予想以上に……。

「あーもう。ほんっとうにイライラしてたのよね……でもそうね。あんたのおかげでストレス発散の場ができたわ」

「ストレス発散……?」

「あーまじなんでこの鞠香が主席じゃないわけ?2位ってなんで!?今まで頑張ってきたのは何!?ほんっとうに腹立つ……。」

「え……」

2位?聞き返そうとしたが 鞠香はこっちの話なんか聞くような気配も見せない。

「ぜってーに5年間で1位とって見返すつもりだったのに何がパートナー制よ。良いわねわたしが1位じゃなきゃ意味がねーの。手抜いたら殺すわよ」

「……いや あの……」

と言おうと思った時だった。
窓の外から 2人の耳に悲鳴が聞こえてくる。

「!?」

2人は窓をあけて外を見た。