放課後。鞠香は一人 図書館に来ていた。
図書館には鞠香意外誰もいない。この学園の図書館は宙に浮いている空中図書館と呼ばれている。ここもまた一瞬でテレポートできる場所があり そこからこれるようになっている。

放課後になると べつに行動を共にする必要が無い場合はやっと独りきりになれるので ずっと着たかったこの場所に着ていた。

空中図書館には様々な本があり 魔法関連の本もたくさんあった。

「……」

適当に本を取り 本棚と本棚の間に座り 窓からの光だけで本を読む。
特に本を読むのは好きな訳ではないけど静かなこの空間が好きなのだ。

「……」

鞠香は右手をみた。そしてぎゅっと握る。
自分が魔法を使えると知ったのは もうずっと昔の話。それからこの学園に入るまでは 家の中でそのことを知ってる人の前でしか使ってはならなかった。だから 限られた時間の中で わたしは長年頑張って練習した。でも……一番にはなれなかった。

わたしの目指すS級に……。