俺は、屋上への階段を駆け上がった。


夏服へ衣替えした制服のカッターシャツが、


風で膨らんでいる。


ああ、今俺、青春の階段を上ってるんや。


そして、屋上のドアノブに手をかけるそのに、


「ううん!ごほんっ!あーあー。」

声が裏返らんように、発声練習。


「やべ。ワックスかけるのわすれとったわ。」


髪の毛を整える。


「よしっ!行くか。」


明菜ちゃんおるかな?


俺はウキウキしながらドアを開けた。





明菜ちゃんが一人で泣いてるとも知らずに…。