「証拠?なによそれ。」

「まあ、見てなって。」

光一君はズボンのポッケをごそごそし始めた。


証拠ってなんなんだろ。



「あった。」

光一君はニヤっとした。


「証拠ってのは、これや!!」

光一君がポケットから出したのは、

「名刺………?」


「名刺ちゃうで。免許証や。」


「免許証……?」


「えーと、名前は雪村 剛。
生年月日は1980年3月27日。」


「雪………お前か!!?」

組長がそう言うと、鼻血垂らして倒れている二人の片方が顔を上げた。


「お嬢っ!すいません!!」

「なにやってんのよ!!台無しじゃない!!」

「ビンゴやったんやな。」


「はるか。台無しってなにがだ。」


組長は血相を変えた顔で徳本さんを見下ろした。

「はあ。話すわ。全部。」



徳本さんは大きく息を吐いて、話し出した。

「可愛くないくせになんかモテる星野さんが、昔から嫌いだった。今もだけど。

それから光一君が転校して来た。
ビックリしたわ。
あんなかっこいい人いるんだってね。

でも、光一君は星野さんのことが好きって。

あたしの生まれて初めての一目惚れの恋は
ことごとく、星野さんに破かれたわ。

それで、腹が立って。

星野さんを強姦させて、写真撮らせて……。」


バシっ!!


一瞬の出来事だった。

組長が徳本さんの顔を殴ったのは。