そして、注意事項を言い終え、
あたし達はバスに乗り込んだ。

「葵君!チョコレートいる?」

「ごめん。俺甘いの苦手なんだ。でもいる。」

「えっ、いいよ!苦手なんなら。」

「いいよ、くれ。」

「……はい。」

「ん~!!うんま!望月のチョコはうまい!」

「えー、普通に買ってきたチョコだよ?」

「望月から貰ったチョコだからかな?」

「もう!葵君ったら!」



「あー!!うるせーーーー!!」

光一君は陽菜乃達に怒鳴った。

「バスん中でいちゃつくんじゃねーよ!!」

「なんだよ光一。お前どーせひがんでるだけだろ?」

「てめー!!ケンカ売っとんか!?」

「ああ?やんのか?ごぅら!!」

あっやば!なんかケンカになってる!!

「ちょっ!!やめなよ!ここバスん中だし!」

あたしがそう言うと、光一君達は座席に座った。

バスの席順は、あたしと光一君、
葵君と陽菜乃のペアで前後に座ってる。

あたし達の前が陽菜乃達だから、
イチャイチャしてるのが鬱陶しい。

「なあ、明菜ちゃん。」

「へっ?」

いきなり光一君に呼ばれたから変な声になった。

「俺ってひがんでるように見える?」

「え、………そんなことないよ!!」

50%ホントで、50%ウソ。

「よかったぁ。あ、キャラメルいる?」

「え?キャラメル?いるいる!!」

「ちょっと待ってな。」

すると、光一君はリュックの中をゴソゴソし始めた。

「あった!!はいっ!」

でも、光一君の手の上にあるのは。

「……なにそれ。」

「え?たこ焼きキャラメル。」

なんじゃそらーーー!?

「あ……やっぱいいよ!お腹空いてないし!」

「そうなん?なんや、明菜ちゃんにあげよ
思て持ってきたっちゅーのに。」

そして、残念そうな顔をする光一君。

たこ焼きキャラメル………。

おいしいの?それ……。