春の風に髪をなびかせて、

あたしは、叫ぶ。

「競歩遠足の注意事項でーす!!」

ああ、めんどくさっ。

てか、ほとんど聞いてないし。

今日は待ちに待った(待ってないけど…)
競歩遠足の日。

ムカつくほど、空は晴れていて、気温は高め。

「葵君!!」

あたしは、葵君を呼んだ。

「何?」

「あとの注意事項、全部言ってくんない?」

「なんでだよ!やだよ!お前がジャンケンに負けた方が言うっつっただろ!?」

ぐはっ。ま、確かにそうだけど、

「お願いっ!!たまご焼きあげるから!」

「俺が言ってやろうか?」
そう言ったのは、

「光一!!」

「いいの!?」

「ああ。明菜ちゃんのためなら。
しかも、たまご焼きくれるんやろ?」

よく聞いてんな~。

「じゃ、光一よろしくっ!!」

葵君は光一君の肩をポンポンっと叩くと、

「望月!!」

「葵君!!」

「ごめんな?ちょっと星野がうるさくて。」

「いいの。行こっ?」

陽菜乃といちゃいちゃしに行った。


そして、あたしと光一君は口を揃えて行った。

「「暑苦しー。」」