「あっ!そうだ!!」

と、陽菜乃はひらめいたように嘆いた。

「なんだ?どうした。」

「競歩遠足のお弁当、この4人で食べよ!」

「おっ!ええな!そうしよう!」

みんなは、口をそろえていいね!と言ったが、
あたしは1人、浮かない表情をしてた。

「あれ?星野、嫌なのか?浮かない顔してるけど。」

と、葵君が言うと、

「えっ!!もしかして俺と食べるのが嫌なんか?」

と、光一君は寂しげに言った。

「違うよ。そんなんじゃなくて………。」

「えっ違うんだ。」

「俺、てっきりそうなのかと……。」

「お前らひでーーな!!じゃあ、明菜ちゃん何が嫌なの?」


「あたし……足遅いから。みんなに置いてかれる気がするの………。」

「そんなことないで!!ほら始業式の帰り、
明菜ちゃん足超速かったやん!!」

「いや、あれは別というか………。」

すると、光一君は言った。     

「じゃあ俺、明菜ちゃんと同じ速度で行くわ!!」

「えっ………!!」

ウソ………ホント?

「あたしも、っていうか、当たり前じゃん!」

陽菜乃……。

「俺も。星野がいねーとつまんねえ。」

葵君………。

「みんなぁ、ありがとう!!」


「よぉしっ!!ってなわけで、競歩遠足頑張るぞ!!」

「「おおーー!」」