くるっとUターンして、私は彼の元へと向かう。
さっきと変わらずに、でも教室は静かだった。
中には入れずに、私は外からそっと呼びかけた。
「マジメくん」
「…絵描き?」
驚いた声
戸惑った声
「うん。さっきはごめんね。」
「お前、ストレスとか溜まってんじゃねぇの?最近、ずっと不安そうな顔だしさ。」
「……」
分かっていた。
自分がどんなに彼を混乱させていたか。
自分がどんなに面倒な性格をいているか。
無意識に彼に執着してしまっている自分を、どうにかして抑え込みたい。
そんな思いを処理しきれずに爆発したのが、今回の結果だ。