何気なくお嬢が口にした質問


『ねぇパティシエ、ここを卒業したら何したい?』


『俺はピンと新しい家でのんびりしたい。何にも縛られないで自由気ままにさ。』


『あたしとは?』


『卒業したあとってどうなんのかな?まだ分かんねえ。俺とピンは双子だからきっと同じとこに落ちるんだろうけど。』


『あたしのことはどうでもいいってわけ?』


『そうじゃない、ただ卒業したあとはどこに行くのかもどうやってお嬢と会えるのかも分からないんだ。』


『もっと考えてよ!大体どうしてあの人なの!?
髪はボサボサだし、パティシエにベタベタしてて気持ち悪いしいつも絵の具だらけで汚いじゃん!』



たったひとつの質問から、こんなことまで発展した。


確かにいつもピンの話をしていたのはお嬢を不快にさせるったらなかっただろう。



だけど




『…ない』


『え?』




『ピンは汚くない!!!』