「きゃあっ」


「うわっ」



見事に人とぶつかった。
相手も走ってきたらしく、お互いに吹っ飛んだ。




「すみません!前が見えなくて…」


「いえ、こちらこそすみません!」



慌てて顔を上げると、そこには袴に桜色のシュシュをつけた
お嬢さんが立っていた。




あちらも私の正体に気が付いたらしい。露骨に嫌な顔をしている。



「あの、本当にごめ…」


「いいから別に」


そう言って私を引き起こすと、また廊下を歩いて去ろうとした。



「…待って!」



私はお嬢さんを引き止める。


一番聞きたいこと

一番言ってほしいこと