「それではラッピングしますので、あちらでお待ち下さい。絵描きは私とトークね!」
「んじゃ、ラッピング終わったら持ってきてくれな、絵描き。」
ひらっと手を振ってマジメくんがいなくなったのと同時に、委員長がまた複雑な顔をした。
「絵描き、本当にいいの?」
「何が?」
「このブタしょっちゅう見に来てたじゃない。」
「まあ…」
「これでまた数値下がったりしないでね?」
「ブタと数値は関係ないよ。」
ふふっと笑ってみる。
それに対してますます眉間にしわを寄せる委員長。
「私これでも心配してるんだからね!」
「はいはい、心配性だなあ。たかが卒業がちょっと送れるだけでしょ。」
ラッピングは終わったようなので、そこから逃げるようにマジメくんを呼びに走った。
「…卒業できないだけなら、どんなにマシか分かんないよ…」
委員長が小さく呟いた言葉を、絵描きは聞いていなかった。