その夜、久しぶりにパテと一緒に夕飯を食べた。



親子丼を食べていた箸を止め、何か言いたげにパテがこちらを見る。



「どうかした?」



「んー…」



どうやら深刻な話のようだ。
絵描きも箸を止めてパテを見る。



しばらく唸り続けたパテは
やがてコホンとひとつ咳をして切り出した。



「絵描きさん。」


「何ですか、パティシエさん。」


「彼女ができました。」


「そうですか。」


「何かご感想は。」


「とても心配です。彼女が。」


「意外と普通の反応だな。」


「物好きもいるもんだなあと。」


「ですよね。」


「相手は?」


「お嬢。キャリア科の。」


「……なんで。」