「今日はフィンガーペインティング?」
「そう、私は一番好きかな。」
「そんな汚れた指じゃ何もできねーよ。」
食材を扱うパテは、いつも手を綺麗に保っている。
電話越しの声は明らかに尖っていて、それがまた少し笑える。
部屋が隣りなのに電話するのは変だろうか。
「キャンバスに直接触れられる作業なんて絵と一番接近してるんだよ。すごく嬉しいの。」
「気持ちは分からなくもないな。料理も食材に直接触れるし。」
「パテ、今"課題"中?」
「いや、ピンへの差し入れ。今日はマカロンだぞ。」
「さすが!そういえば委員長がパテのマカロン食べたがってたよ。」