「ないと困るんだろ?半分切ったから持ってけよ」



ぎゅっと消しゴムを私の手に握らせた。


切り口がギザギザしていて
カッターはこのためか、なんて呑気に思う。





「…私の方が少し大きい。」



明らかに私のより小さい不良くんの消しゴム。



「絵はいっぱい使うだろ?それおまけな!」



「ありがとう不良くん!優しいんだね!」



「ばーか、勘違いしてんじゃねぇよ。」




ニカッと笑った顔を後目に、教室へと走る。






絵描き、16歳。
久しぶりに"課題"以外のことでわくわくしました。