健康的で女性らしい身だしなみに、いつも優しくて笑顔を絶やさない看護師たち。


今思えば、それらは看護師として仕事をする上での使命みたいなものなんだろうけど、幼い頃の私にはとても素敵で魅力的な女性に見えたものだった。



入院しているとき、ほぼ毎日孝さまがお見舞いに来てくれていた。



私が看護師になりたいって言ったら、孝さまはオモチャの聴診器や注射器を買ってきてくれて、患者の役をやってくれた。



そういえば、孝さまは、病棟の看護師たちにも大人気だった。


私はとても誇らしい気持ちだったわ。



でも母に『琴湖はお嫁さんになるのよ』って言われて、夢は終わった。