「元祖うちの学校の王子様の啓志郎くんもニューヨーク行っちゃったし、つまんないよねェ〜。

琴ちゃん連絡とってるの?」



「ええ。まぁ、一週間に一回メールするくらいだけれど」


「やるじゃん♪♪」



「…どういう意味よ」


どうやら、クラスメートの中には、私が啓さまを狙っていると思っている者がいるとかいないとか。


ニヤニヤしてる白雪に、顔をしかめた。



はっきり言って啓さまは、王子様なんかじゃなくってよ。


王子様といえば、ジャンなどでもない。




私は、本物の王子様を知っているんだから。




“王子様”という定義は、“私にとっての唯一の男性”というだけでは役不足。


存在自体が気高くて尊くなくてはならない存在だと思うの。


人間性もすべてがパーフェクトでなければならないし。