「琴ちゃんが熱くなってるとこ見たことないんだよなァ〜」


女子に囲まれているジャンを見つめながら、白雪はつぶやいた。



「何よ、突然」


「琴ちゃんて、いーっつも冷静だし。

あたしたちみたいに、誰かにキャーキャー言ったりしないなァって思って」



「…キャーキャー言う程、心が動く人にまだ巡り会えていないだけなんじゃないかしら」


「巡り会っていないっていうより、そもそも興味がないでしょ?

巡り会う為に行動もしない。

琴ちゃんて、いつも堅実だもんね」



「…白雪。何が言いたいの?」


何だか小バカにされたみたいで、カチンときた。



すると白雪は、熱い目をして力強く言った。


「難しく考えないで若いうちは、そのカタいカラを破って冒険してみようよ!ってコト!

だってあたしたちが自由にできるのって子どもの今のうちだけじゃん?」