桜音に意地悪して遊んでたら夕方。
好きな子といると時間が早く進む気がする。
そして何気なく桜音に聞いてみた。
「実家帰んねーの?」
「…はい。忙しいみたいですから」
「あっ!なんか店でもやってんだっ」
「いえ…そんな…。それより、私はそろそろ帰ります」
寂しく笑ってはぐらかした家族の話し。
きっと言いたくないし、聞かれたくないんだ。
「泊まってく?」
「外泊届け出していないので、やめときます」
「そっか……。じゃー送ってくわ」
「お言葉に甘えて」
いつか桜音が俺に言えない隠し事を言ってくれるまで待つから。
今は無理に聞かない。
二人で笑ってられるだけ………それだけで十分。