街灯で明るく照らされる下宿先が見えて来た。
着いても手を離そうとしない桜音は下宿だから寂しいんだろ、多分……。
ふわっと桜音を腕の中に入れて抱きしめる。
あったかい…。
「寂しいの?」
「今日は幸せすぎました…。多分そのせいで寂しいのです…」
「俺も桜音と一緒。幸せすぎた」
「こ、琥珀くんも……その、寂しいですか?」
悲しそうな目で見上げられるから、もっと強く抱きしめた。
「寂しいよ」
「けど…ウサギがいるので頑張れそうです」
「俺よりウサギ~…」
「そんなことないですよ!」
あたふた慌てる桜音の髪にキスをする。
その瞬間、大人しくなる桜音がかわいくてもっとキスしたくなるけどやめとこ……。
また明日、って言って笑顔で下宿先に入る桜音を笑顔で見送った。