【琥珀side】



昼休み後の五時間目の授業。


眠たいし屋上でサボリタイム。


もちろん隣には大人しくちょこんと座って、リンゴジュースを飲む桜音。


「桜音…眠い。膝枕」

「ふふっ。私で良ければ」


そう言って膝枕してもらうのは最近の日課。


下から桜音を眺めるのもなかなかいい。


長い黒髪をいじって遊んでても、桜音はふわっと笑いながら俺を見る。


「私の髪……面白いですか?」

「長くてキレイじゃん。いっつも思う」

「嬉しいですね。誉めてもらえるの」

「ってか、そろそろ敬語やめねーの?」

「癖ですから」


決まってこの言葉言って敬語はやめてくれない。


そこも桜音らしさ、と思えばかわいく感じる。


俺って多分、桜音になかなか手出せないと思う……。