それからは、あたしの行きたい服屋さんとか雑貨屋さんに付き合ってくれた。
二人で並んでアクセサリーとか見てると、ほんとのカップルに思えてきちゃう。
「この指輪かわいい~」
「笑花先輩に似合いますね」
「ほんとにー?」
「俺、嘘つかないよ」
その真剣な蒼空くんの瞳に吸い込まれそうになりつつも、あたしは指輪を眺める。
白いストーンが埋め込まれたシルバーのピンキーリング。
かわいいんだけど、彼氏に買ってもらう人が多いみたいだから買いにくい。
寂しい人って思われそうじゃん!?
コトッと静かに指輪を戻した。
「先輩買わないの?」
「うん…指輪とかあんま好きじゃないから」
笑って誤魔化してあたしは蒼空くんの腕を引っ張り、他の店内に入った。