寝そうになってた瞬間、屋上の重たい扉が開く。


「何か用事ですか?」

「桜音…遅いんだけど」

「だって授業中ですもん。遅くもなりますよ」

「じゃあ何で来たの?」

「琥珀くんからメール来たので」


ふわっと柔らかく笑って俺の隣に正座する。


その笑顔にいつも癒されるんだよなー…。


「ボーッとしてどうしました?」

「別に…。あ、遅れたバツでジュース買って来いよ」

「パ、パシリですか…」

「そうですね、パシリですね」


財布から1000円を出して桜音に渡す。


「あのっ…小銭ないんですか?ジュースにしては多すぎですよ」

「俺とお前の分」

「悪いです!私もお金持ってますからっ」

「いいから行ってこい」

「は、はい…」


リンゴジュース飲んだら桜音喜ぶだろ?


その笑った顔が見たいだけ。