こんなことをサラに言うと、また後輩のくせにー!と不機嫌な顔しかしない訳で……。


毎日、毎日、あたしの教室に来る蒼空くんをいつしか待つようになった。


「ちょっと笑花落ち着きない。落ち着け!」

「ん~…だって、そろそろ蒼空くん来る時間でしょ?」

「確かにそうだけど………期待してんの?」

「そんなんじゃなよ!サラの勘違い!」


いつも昼休みになって15分くらいしたら、蒼空くんはあたしの教室に来るのに……


今日は来ない。


休みとか…?


………なんか、これじゃあ期待してるみたいじゃん。


当たり前になってたことが、当たり前じゃなくなると不安になるよね。


思わずあたしは教室から出てキョロキョロと辺りを見回す。


やっぱ今日は来ないか………。


教室に戻ろうとした時、見覚えのある姿と聞き覚えのある声。


「笑花せーんぱいっ!」


ニコニコ笑った蒼空くんだ。