桜音が帰った夜、久しぶりに一人っきりの夜を過ごす。


相部屋なのに誰もいない。


クリスマスなのに切ねぇな……。


早めに寝よ……。


ぐっすり眠りについた俺。


一回も起きることなく朝目を覚ますと、目の前に黒髪の少女。


「んっ……桜音、か…」

「あっ!おはようございます!退院の準備に来ました」

「わざわざどーも。昨日一人で寝れた?」

「ふふっ……お察しの通り寝不足ですっ」

「俺も」


笑いあってるのにズキズキと邪魔くさい足の痛み。


「いっ…た」

「まだ、痛みますか?痛み止のお薬お家で飲みましょうね」

「さっすが薬剤師!これで俺いくらでもケガできるわ」

「しないで下さい!心臓に悪いし、何より寂しいです!」


ムスッと膨れる桜音の手を借りながらやっと歩く。


小学生ん時は腕骨折したから、松葉杖は初めてだ。


めっちゃ歩きにくい!