【琥珀side】



部屋に雑誌を取りに行った午後。


リビングで桜音が待ってるから走って階段をかけ降りた時……


地響きと共に俺が落下。


それと同時に『ボキッ』っといい音。


クリスマスに骨折、しかも1日入院とかナイわ~………。


「桜音ー……ほんとごめんな」

「え?なんでですか?」

「いや、その……クリスマス何もしてやれなくて…さ」

「いいえ、私は琥珀くんの側にいられるだけで幸せです」


桜音の笑顔は骨折の痛みさえ忘れるほど。


それくらい癒される。


はぁ~…家帰りてぇ。


窓の外の白い世界をチラッと見た。


雪、か………。


「あっ、雪……キレイですねぇ」

「そろそろ家帰らねーと暗くなって危なくね?」

「郁理パパが迎えに来てくれるそうです」

「そっか……」

「私の心配より、たまには自分の心配して下さい。琥珀くんはいっつもそうです」


言われてみればそうだな。


桜音って彼女ができてから、俺優先じゃなくて桜音優先になった。


そんだけ桜音が大事なんだよ。