【笑花side】
部屋から見える木がオレンジ色になった秋。
蒼空くんと温かいココアを飲んで、二人でまったりしてる昼下がり。
あたしのケータイにメールがきた。
萌ちゃん!?
あの文化祭の時に会った子だ……。
「笑花ちゃーん?」
「……んー?」
「誰?男、じゃないよね?」
「なっ、な訳ないよ!女の子だよ~」
「ならいいや」
ニコッとかわいく笑う蒼空くんは最近、嫉妬深い……。
それだけ愛されてるんだよね、あたし!?
『会いたいです』
それだけの内容だけど、ちょっと気になって返信した。
「蒼空くん。萌ちゃんって覚えてる~?」
「萌?あー!軽音部の後輩ね」
「そうそう!あの子からメールだったの」
「萌ちゃんが笑花ちゃんに何の用だろ?」
「あたしも分かんない……」
それから数回メールのやり取りを続けた。
あのかわいい萌ちゃんが、あたしに何の用なんだろうねー……。