カーテンからうっすら光が射す朝。


身体を揺さぶられて、心地いい声で名前を呼ばれて起きる。


「琥珀くん…起きて下さい…」

「んっ……桜音…まだ8時じゃん…。寝るぞ、おいで?」

「いやです。おいでしませんっ」

「………じゃっ、おやすみ」

「お腹空きました…ペコペコです」


俺に朝飯を作れと…。


桜音が大の苦手なモノ、それは料理。


お嬢様育ちで家事が苦手な桜音に代わって俺が家事をしてる。


「…分かった。今作るから洗濯物、洗濯機ん中入れといて」

「はーい」

「返事だけはいいな」

「洗濯機に入れることくらいは、できるので」


根っからのお嬢様だなぁ~ほんとに。


桜音ちゃんのために起きますか…。


ダルイ身体を引っ張りながら、キッチンに立った。